研究内容

光通信およびその応用技術の研究を行っています

各テーマの概要

 

★低雑音位相感応増幅

最近、光通信の分野では将来のトラフィック需要の増大に対応するために、多値変調技術やディジタルコヒーレント技術などを駆使して周波数効率(単位周波数あたりの伝送データ容量)の向上が図られています。高い周波数利用効率を実現するためには高い信号対雑音比(S/N比)を得ることが理論的に必要であり、それを実現する技術として当研究室では位相感応増幅器(Phase Sensitive Amplifier :PSA)の研究を進めています。

PSAの特徴

・光パラメトリック増幅を利用して従来のレーザ増幅器の原理的雑音限界を超える超低雑音光増幅が可能

・利得の位相依存性を利用して入力信号の位相雑音を低減することが可能


研究課題

・入力信号光と励起光との間の位相同期を実現するための光PLL技術

・多値変調信号に対応する構成の検討

・増幅前後での信号品質の評価、光ファイバ伝送特性の解明

★光コムの発生と安定化

マイクロ波等の電気信号で扱える周波数領域まではシンセサイザ等が市販されています。一方で光の発振器であるレーザの絶対周波数は大きなゆらぎを持っており、これがPSAの実現や将来の光通信の大容量化の課題になると考えられます。光の絶対周波数の基準となる技術として光の周波数が櫛状に並んだ光コムと呼ばれる技術があります。光コムの簡便な発生方法や、絶対周波数安定化などの研究を進めたいと考えています。


研究課題

・新規構成による光コム発生法の検討

・光コムの絶対周波数安定化の研究

・PSA用パラメトリック媒質の特性評価

※光コムとは(上部左図)
 一定の光周波数間隔で輝線スペクトルが広帯域に並んだ光源。周波数間隔とオフセット周波数の安定化により光の“ものさし”となる技術

★中赤外光源を用いた高感度ガスセンシング

光通信の発展に伴って、その光源として用いられる半導体レーザは目覚ましい性能向上が図られてきました。さらに近年非線形光学効果を利用した波長変換技術も目覚ましい発展を遂げており、半導体レーザを波長変換することにより様々な波長のレーザ光を容易に発生することが可能になりました。その中でも当研究室では中赤外波長域の光源の応用研究を進めています。光通信で用いられる1.55um帯に比べて、2-3umの中赤外波長域では環境ガス(CO2,CH4,N2O等)が2~3ケタ強い吸収を示すため極めて微量ガスの高感度センシングが可能になります。


研究課題

・ホルムアルデヒド等のシックハウス症候群原因物質のリアルタイムセンシング

・広帯域波長変換技術と吸収スペクトルの一括計測

・光コムの中赤外波長への変換とガスセンシング応用