三層積層型太陽電池


高効率積層型薄膜太陽電池の開発

 無公害・無尽蔵な太陽エネルギーの利用は近未来の環境問題とエネルギー問題の解決を目指す上で重要なテーマです。基幹エネルギー源としての太陽電池の普及を実現させるためには、エネルギー変換効率の向上と経済性、安全性、リサイクル性の改善を同時に実現する次世代太陽電池の開発が不可欠です。
 図1は地上で観測される太陽光スペクトルです。可視光線(350~700nm)から赤外線領域まで広がっており、1㎡あたり1kWのエネルギーが降り注いでいます。グラフ下の矢印は代表的な太陽電池が発電に利用する光の波長範囲を示しており、太陽電池の種類によって使用する光の範囲が異なることや、まだ利用されていない光が残っていることが分かり、まだまだ研究の余地があることも分かります。

太陽電池には材料によって利用できる光の波長範囲が異なるためすべての光エネルギーをひとつの太陽電池で100%利用することは不可能です。そこで、図2のような発電に利用する光の範囲が違う太陽電池を積層した積層型太陽電池の開発が行われています。短波長光はフロント太陽電池で、中波長はミドル太陽電池で、長波長はボトム太陽電池でそれぞれ最適な条件で吸収されるため、どの波長の光も無駄なく電気に変換することが出来ます。

以上の観点より本研究室では、より長波長の光を有効利用するためのボトム太陽電池として結晶系薄膜シリコンゲルマニウム太陽電池の開発を行い、積層型薄膜太陽電池の大幅な高効率化を目指しています。
 この技術は長波長光の有効活用や太陽電池の薄膜化につながり、高効率化及び低コスト化に極めて有効です。(図3)





 私達は毒性がほとんどなく環境に優しい材料として、結晶系薄膜シリコンゲルマニウムに注目しています。シリコンゲルマニウムは吸収できる光の波長領域を自由に変えることが出来る稀な材料であり、入射光に対して最適な光吸収が求められる太陽電池用材料として大変適した特性であると言えます。

 これら技術の実現は1500nmに及ぶ広範囲の太陽光スペクトルの有効活用による高い変換効率実現を可能とするものであり、環境共生型の新型薄膜太陽電池の性能向上とコストダウンにつながる極めて有効な技術になると考えています。


 本研究テーマは 新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO) の援助の下
独立行政法人 産業技術総合研究所 太陽光発電研究センターとの共同研究により進めています。



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